それからしばらく、 お互い何も言わず、 ただただ抱き締めあっていた。 いつもなら五月蝿い蝉の鳴き声も、 心地よく感じた。 ………。 「……あ!!!!」 思い出した。 『うぉっ! ……なんだよ。』 「倒れたんでしょ?!!! 大丈夫なの?!!!!!!!」 私がそう問いかけると、 『あぁ。』 と、思い出したように呟いて、 『あれ、和花病だから。』