「実はあたし‥トラウマがあって‥
2年ちょっと前の事なんですけど‥
あたしには好きな人がいて、
その日はその人に体育館裏に
呼ばれてて、1人で舞い上がって
たんですけど、体育館裏に
行ったらその人だけじゃ無くて
他の人も何人かいて‥
言われたんです。
《お前ってさ、誰と話す時でも
顔赤くしてるけど‥
誘ってんの?》って。
あたし、意味が分からなくて
《え?》って言ったら‥
《まぁ‥お前なら顔可愛いし
ヤってあげてもいいけど》
って言われて、レイプされました。」

しばらくは理解が出来なかった。

優美ちゃんが‥?

「‥」
何も言えずに黙っていると、

優美ちゃんは涙を少し
浮かべながらも笑った。

「はは‥引きますよね?
それ以来、男の人ダメになっちゃって‥
今でも、肩叩かれただけで怖いし
ビクッてなるんです。
顔が赤くなるのは直んないんで、
あんまり、喋んないように
してたんですけど‥
先輩は大丈夫で、いつの間にか
‥好きになってました。
でも、こんな汚れたあたしより
ふさわしい人がいますから‥
キッパリ、フって下さい。」

涙をたくさん浮かべながら
無理して笑う優美ちゃん。

優しく抱きしめた。

「先輩‥っ」
押し返そうとしてるけど
優美ちゃんの力じゃ無理。

「優美ちゃんは‥汚れてなんか
ないよ‥キレイだよ?」

思ったことを口にしたのに怒られた。

「そうやって‥優しくされると
‥っ嫌いになれないじゃないですか!!」

「嫌いになんか‥ならなくていい。
ずっとずっと好きでいてよ。」

「あたしなんかで‥いいんですか?」

「俺は、優美ちゃんがいいの。」

「よろしく‥お願いします。」

「こちらこそ?」

俺らの仲が深まった気がした。