僕は彼女を名前で呼ばない。 呼んでしまえば、想いがバレる気がして。 童顔なのに、かっこいい僕の親友にバレてしまう気がして。 僕は彼女を『君』と呼ぶ。 「優しすぎて、かっこいい」 なんてあいつにはよく言われるが、僕はただ怖がりなだけだ。 あいつの方が、よっぽどかっこいい。 だから、 あいつに敵う訳なくて。 だから、 僕の恋は始まった時から 終わっていた。