前、あいつが体育館裏に行ったのは体育祭の後だったな。 僕も体育館裏に連れていかれ、話した。 あの時は、僕と彼女のクラスが一位で。 あいつのクラスは二位だった。 あいつは行事に人一倍熱くなる奴だから、二位なんて許せなかったんだろう。 「お前には勝てねぇーな…」 なんて、本当に悔しそうに言ったっけ。 「彼女のために頑張ってるお前の方が、僕なんかより。…一番かっこ良かったよ」 でも、僕は褒めた。 あんな風に堂々と頑張れるあいつを羨ましいと思った。 僕は、したくても出来ないんだから。