『どうだろうな。 人は良いことより 嫌なことの方が はっきりと覚えてるもんだ。 けどな、そんなもん 忘れるほど良いことが たくさんありゃ 自然に忘れられるだろ。 そしたら皐月は 俺以外にも信用できる人が 見つかるんじゃないか?』 『…そうかな』 『要は全部お前次第 ってことだよ。 まっ俺は皐月さえ いればいいんだけど』 はははっと笑って 私の頭をガシガシと 撫でてきた。 『どーしたいきなり? 学校でなんかあった?』