実はジークも同意見だったが、わざわざここで言う必要はない。
ピンで飾りを固定した二人の後ろを、王子であるランバートが通っていった。
それに気づいたジークは冷や汗を拭う。
あと少しタイミングがずれていたら、確実に聞かれていただろう。
騎士団の司令であるランバートは、簡単に二人を除隊できる。
それを考えると眩暈がした。
「見ろよ、ランバート様だ。」
ジークの心労を知りもしないラジャが、ランバートに顔を輝かせる。
「相変わらず凛々しいなぁ。
あんなにカッコいい人が次期国王だなんて、俺、胸が高鳴るぜ。」
「おい!
次期国王になられる方になんてことを。」
「え、褒めてるんだけど。」
「…。
もういい。」
決して悪い奴ではないんだが、とジークは内心ため息をつく。
良くも悪くも素直なラジャは、うっかりと口を滑らせる。
さっきの言葉も、現国王を否定しかねない。
ジークは大きく深呼吸すると、準備を再開した。
「なぁ、ジーク。」
「なんだ?」
「今さらなんだけど、俺、今晩なにを着ていこう。」
「……俺も考えていなかった。」
大変だ。
ジークは顔が青ざめていくのを感じた。
ピンで飾りを固定した二人の後ろを、王子であるランバートが通っていった。
それに気づいたジークは冷や汗を拭う。
あと少しタイミングがずれていたら、確実に聞かれていただろう。
騎士団の司令であるランバートは、簡単に二人を除隊できる。
それを考えると眩暈がした。
「見ろよ、ランバート様だ。」
ジークの心労を知りもしないラジャが、ランバートに顔を輝かせる。
「相変わらず凛々しいなぁ。
あんなにカッコいい人が次期国王だなんて、俺、胸が高鳴るぜ。」
「おい!
次期国王になられる方になんてことを。」
「え、褒めてるんだけど。」
「…。
もういい。」
決して悪い奴ではないんだが、とジークは内心ため息をつく。
良くも悪くも素直なラジャは、うっかりと口を滑らせる。
さっきの言葉も、現国王を否定しかねない。
ジークは大きく深呼吸すると、準備を再開した。
「なぁ、ジーク。」
「なんだ?」
「今さらなんだけど、俺、今晩なにを着ていこう。」
「……俺も考えていなかった。」
大変だ。
ジークは顔が青ざめていくのを感じた。