初恋ディジー



「何とか逃げ切ったな」


正門をくぐり抜けて、北方面へと向かう自転車。


ちょうどフェンスを挟んだ向こう側に、飽きれた様子の先生が立っていた。


「何か凄くドキドキした……こんなの初めてかも」


最初は逃げるなんて……

と思っていたけれど、今は興奮がおさまらない。


「俺なんかショッチュウだけどね」

と走るペースを落とす。


たまにはこういうドキドキ感やスリルを味わうのも、悪くないなっと思った。


「楽しかった?」


「うん、とっても!」


返事を返すと“良かった”と榛名くんは小さく笑った。