「き、聞こえなかった!」 愛ねえはわざとらしく顔をそらす。 「え、だから、俺は…。」 やっぱり… 血の繋がりは越えられないの? 「ねぇ、陸…。」 「な、何?」 唇と唇が一瞬重なった。 「(あ・た・し・も)」 俺にはそう見えた。 愛ねえの口から音は出なかったけど…。 俺と愛ねえの初めてのキス。 二回目がないから 三度目も無い、 最初で最後の、俺の恋。 完。