「俺、ちょっと歩いてくる。」 「ん、大丈夫?」 「大丈夫だよ、左手以外は大丈夫そうだし、もう高校生だしさ。」 この病院は二回目だから良く知ってる。 自販機の場所とか、エレベーターの場所とか。 小さい時に来たときは、家に帰りたくて帰りたくて泣いたんだっけ…。 けど、あのときは愛ねぇがずっと居てくれたんだ。 そして、今も愛ねぇは一緒に居てくれてる。 もし、愛ねぇが居なかったら俺は3回ぐらい死んでるかも。