『沢渡(さわたり)と申します。
お母さん…いるかな?』

「はい。
少々お待ちください。」

そう言って

保留ボタンを押して

内線で

母がいるであろう部屋に

電話を回した。


『なに?どうしたの?』

コール3回で応答した母は

優しくそう言ったが…

「なんか
“沢渡”って 男の人から電話だけど…」

「えっ!?」

翔から
そう伝えられると

驚いた声を出し

そのまま内線を切った。

…なんなんだよ?
そんな 驚くような人なわけ?


初めて聞く名前…

母の反応…

翔は

全く検討がつかず

ベッドの上で

腕組みをして座っていた。

その時―