胸の中に言葉があふれてくるのに
わたしの口からは
一言も出てこなかった。

そのかわりなのか
視界がぼやけ、みるみるうちに
涙となってわたしの頬を伝っていた。


そんな姿をみられたくなくて
両手で顔を覆いながら家を飛び出した。




「「ユウリ―――」」



うしろから二人の呼び声が聞こえたけど
それをかき消すように夢中で走った。




この世界から
逃げるようにして―――――。