吉田の元気な声が 店内に響き渡る いや 俺からしたら 世界中に響くようで クラックラする 「あのー、お客様?」 「…」 「クマさんとミツバチの甘いお家ーー」 「それだ‼それ一つくれ‼」 俺は叫んだ 叫んで逃げたかった だが動けない 動けない俺の耳に 吉田の声が突き刺さる 厨房にオーダーを通す声 きっとまた きっとまた あの長たらしくて恥ずかしい クマさん〜が店内に知れ渡るだろう 俺は耳をふさぎたかった が…