「す、すみません‼」


深く頭を下げる吉田


まだ大学生か


眼鏡の奥の目が潤んでいる


こりゃ楽勝だな


俺はほくそ笑み


「これくれ」


メニューを指差す


「はい?」


吉田がメニューを覗き込む


「これだ」


「えーと…どれでしょう?」


「これだ」


「あ、このチョコファウンテンですね?」


チョコファウンテン…


確かにそっちもそそられるが


「そっちじゃなくてこれだ」


トントンとメニューを叩く


「えー…」


再びメニューを覗き込む吉田


「あ、コーヒーですね」