ハサート王子から何も聞き出せなかった……。
せめて誰が来ているか分かれば気分が楽なのに。
莉世の耳に楽師団の音楽が聞こえ始めた。
どんどん近くなっていく。
莉世の心臓は暴れはじめた。
宴は宮殿の広大な庭に設置されたテントで開かれていた。
テントと言っても、豪勢な装飾に驚くべき広さのあるもの。
宴によく使われるのだ。
ハサート王子と莉世が入り口に立つと、カーテンが開かれた。
歓談していた男たちの声が止まる。
莉世は注目されているのが分かり穴があったら入りたい心境になった。
「みなさん、わたしの美しい舞姫を紹介しましょう」
ハサート王子の声で、莉世は一歩前に出て王子の横に並び顔を上げた。
次の瞬間、感嘆の声でざわめく。
莉世はジャダハールの大臣を見ようと、国王の並びの位置に目をやった。
その瞬間、目を見張る。
せめて誰が来ているか分かれば気分が楽なのに。
莉世の耳に楽師団の音楽が聞こえ始めた。
どんどん近くなっていく。
莉世の心臓は暴れはじめた。
宴は宮殿の広大な庭に設置されたテントで開かれていた。
テントと言っても、豪勢な装飾に驚くべき広さのあるもの。
宴によく使われるのだ。
ハサート王子と莉世が入り口に立つと、カーテンが開かれた。
歓談していた男たちの声が止まる。
莉世は注目されているのが分かり穴があったら入りたい心境になった。
「みなさん、わたしの美しい舞姫を紹介しましょう」
ハサート王子の声で、莉世は一歩前に出て王子の横に並び顔を上げた。
次の瞬間、感嘆の声でざわめく。
莉世はジャダハールの大臣を見ようと、国王の並びの位置に目をやった。
その瞬間、目を見張る。