ヘルメットを外した青年が、さわやかに笑いかけてくる。 「よっ、奏!……ん?横に居んのは…理桜か?」 清潔そうな短めの黒髪。 程よく焼けた褐色の肌。 心地よい低音。 そこに居たのは… 「修司(しゅうじ)兄ちゃん!?」 「おう、ひっさしぶりだな、理桜。」 奏の兄にして、私の初恋の相手。 犬飼修司だった。