冷たい視線、温かいのは右手だけ。 私を甘やかしてくれる大きな手はもうどこにもないの? あの柔らかい笑顔は、もう私には向けられないの? そう思うと、私の頬を静かに涙が滑って、アスファルトに落ちた。 気付けなかった。 奏がこんなにも私に必要なんだって。 奏に嫌われたくないんだって。