一体何事だろう。

熱は無いか?

そんな風な事を考えていると、
苦笑して、彼は言った。

思考が読まれているようにしか思えない。


「熱は無いよ?」

「……それならいいけど」


じゃあ気まぐれだろうか。

ひとまずそれは置いておいて、
口内で、いかに舌を
歯に近づけないかに集中しよう。


時々うっかり歯に当たったり、
それで1人体を震わせたりしていると、
突然に彼が言いだした。


「舐めてやろうか?」

「いや、遠慮するよ」