脱走の翌日、私たちは早速の障害に頭を抱えていた。

私の親が姫の行方の情報を街人に求めたのだ。

これでは街を歩くことが出来ない。

けれど私だって伊達に兵法を網羅していない。


「ねぇ、アラン。貴方、さりげなく街に噂を流して。姫は煌びやかな衣装に身を包み長い髪を切り落として6人ほどの男達と歩いていた・・・と。」


これは私の策。
これなら全ての問題にカタがつく。


「・・・そういうことか。」


流石に戦いのプロ。
私の目的を分かっている。

「流石だな。煌びやかな衣装とつけることで戦闘装束のお前は除外される。髪を切ったとつければロングヘアーのお前も除外。6人の男というのは賊か何かに攫われたと誤解させるため。んなえげつない策、俺らでも使わねぇ。」

そう、噂は自然と流れる。
それに人は姫君の顔を知らない。

自然と噂とは違う私はただの殺し屋としか見られない。

6人と付けることで2人組の私たちは始めから疑われない。

えげつないのは認めるが実際に有効な策なのだから。