君の魔法がとける瞬間(とき)



その日の夜。



「やだぁ〜!どうりで反応が薄いと思ったのよ〜。
私ももっとテレビに出なくちゃね♪」



夕食を食べながら、里美さんは笑って言った。




「本当すみません。あまりテレビは見ないもので…」


有名な女優さんなのに…知らなかったなんて、すごく失礼だよね…。




「いいのよ、気にしないで。明日は私も出るからね♪一緒に頑張りましょ」



里美さんは私の手を握ってくれた。


本当にどこまでいい人なんだろ…。




「あんまり、でしゃばんなよ」



里美さんに冷静に言う碧空さん。


私はキッと睨む。
まったく!こんなに優しい里美さんにあんな態度とるなんて!




「なんだよ?居候」



倍の睨みが返ってきて、一撃で惨敗。



「な…なんでもないです…」



碧空さんは、フンッと鼻で嘲笑う。


なによぉ、そんな怖い顔して納豆掻き混ぜてるくせに!


いつか…この光景をカメラに抑えてファンのみんなにばらまいてやるっ



くくく♪
私は小さな反撃を頭の中で企てていた。







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