君の魔法がとける瞬間(とき)



ちょっと落ち着こう…。


外に出て深呼吸。



「ふぅ……頑張らないと」



お父さんの顔を思い出して、自分に気合いを入れる。


「あんま力み過ぎるなよ。」



「…陽斗さん」


振り返ると陽斗さんがいた。



「ん〜そうだな。撮る時に、カメラマンを頭の中でお前の一番好きな人に変えてみろ。はい、ココア」




それだけ言うと、ココアを私に渡して中に入っていってしまった。



カメラマンさんを、一番好きな人に…。



そうか、それなら緊張せずにすみそう!



ココアを飲んで、私も中に入る。






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