「…………はい」


私は、理事長の目をまっすぐ見て答えた。



「そうか…。」




「すいません…」



「こんな時…キミの父としてどんな対応とるべきかなって考えてたんだよね。いつかは…こんな日が来るんじゃないかと思ってたんだ。理由は話せるかい?」





「私のせいで…誰かが傷つく姿を見たくないんです。私がいることで…必ず誰かは傷つき…苦しむ時が来ます。それが怖いんです」





「それはキミが、大きな秘密を抱えているから?」




「はい……逃げ出すような形になって本当に申し訳なく思っています…」



「そうだね。キミは逃げ出すことになる。苦しい現実から」






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