寝ぼけてはいるものの本能が 働いたのか、私はとっさに身を 引こうとしたけれど、頭を撫でて いたはずの拓哉の手が、がっちりと 固定されてそれを阻止した そしてそのまま、拓哉の唇が私の 瞼に触れた 私が想定していた個所ではなくて 安心したような残念の様な、 なんだか複雑な気持ちだ でも、そんな気持ちも消し去るように 拓哉の唇は離れたと思ったら今度は 額に触れた ちゅ、とやっと聞こえるくらいの 小さな、優しげな音と一緒に 彼の唇が私の顔中に落とされる