約束【短編】



「拓哉・・・?」

確かめるように震える声で名前を
呼ぶと、拓哉が腕に力をもっと強くした


締め付けられる痛みが、
これが夢ではない事を私に教えてくれる


夢じゃ、ない

拓哉がいる

拓哉が、ここにいる

約束した通り、拓哉がここにいる


「・・たく、や・・」

頭が真っ白になって、
拓哉が来てくれた嬉しさや安堵で
めちゃくちゃに涙が溢れた