サクサクと芝生を踏んで桜に
近づきながら辺りを見渡す


ココにいないとしたら完全に
お手上げ状態だ

でも、なかなか姿が見えなくて
少し不安になった時

桜の向こう側の幹から、
綺麗な黒髪と細い肩が見えた


急いで、でも音を立てないように
極力静かに回り込む

そしたらそこには、桜に背を預けて
座りこむ実羽がいた


・・・・・良かった、いて・・・

ほっとしながらも、実羽に意識が
無い事に気づき彼女の前に
しゃがみ込む


「・・・!」

そしたら実羽の閉じた瞼から
さらさらと涙が流れてた