舞い落ちる花びらを目で追うように
ゆっくりと伏せた


家を出るときの拓哉の態度を
思い出してため息が落ちる

ーーー拓哉は来ないだろう


そんなことをぼんやりと考えながら
伏せた顔を上げる

・・・帰りたくないなぁ

どうせ拓哉は私に無関心なのだから
いてもいなくても差し支えないだろう


つまりそれは、私は別に帰らなくても
いいという事に繋がるはずだ


・・・だったら、もう少しここにいよう

もう少し、思い出に慕っていよう