ガサガサと茂みを掻き分ける

そして、ザっと、抜けた瞬間

ひらひらと、私の目の前を
薄紅色の花びらが通り過ぎて
行った

「・・・・・・・・・あ・・、」

顔を上げた先には、
満月と沢山の星が瞬く夜空

そして、その空を覆うように
壮大に咲き誇る、大きな桜の木が
あった

この桜以外には木が一本も
生えていない

ふわ、ふわりと月明かりを受け、
まるで雪のように降ってくる

すごく幻想的で、
綺麗すぎて泣きたくなった


「・・すごい・・・・」


ふかふかした芝生を踏みながら
その桜に近づいていく