約束【短編】


《えっ!駄目だよ
 こんな夜に出歩くなんて》

「いいえ、大丈夫ですよ。
 ・・それに私も丁度組の方に
 用事があるので」

《ヴ・・・そう言われると・・・》

松本さんは電話の向こうで
うんうんうねって、やがて
ふぅと、ため息をついた

《じゃあ、申し訳ないけど、
 組まで持ってきてもらえる?》

「はい、
 お任せ下さい。」


松本さんは何度も謝りながら
電話を切った

私も携帯を閉じて、報告書を
鞄に入れてもつ

フッと、目に止まったカレンダーには
今日の日付に赤マルが付いてた