笑いながら布団を下へとズラす仁と、
必死に上げるあたしとで、

引っ張り合いになる。



「でもこれから家では、今のままがえぇな」



は!?

今のままって……ノーメイクにデコッパチにオッサンなあたし!?


ぷぅっと膨れた頬の空気が一気に抜けた。



「めちゃくちゃにしても気になれへんやん?」

「めちゃ……くちゃ?」

「そ。服とか脱がす時、一応気遣ってるし」



めちゃくちゃ……。


ボッと音が聞こえるくらいに赤くなった、

あたしの頭の中は妄想MAX!



なんて事をををををを!



「それに、俺だけやん? 綾のそんなん見れん」

「そ、そうだけど……」



真っ赤になったあたしに

『可愛い』

って言いながらキスが落ちる。


やっぱり恥ずかしくて布団を鼻先まで被った。



「じ、仁! お風呂入る?」



腕枕をされ交わすキスに爆発寸前のあたしが言った言葉は



「その前にもう1回していい……すか?」



だなんて仁の甘い誘惑に消されてしまった。



ノーメイクでも、
部屋着でも、
デコッパチでも

“可愛い”

って言ってくれる彼氏。


最高に嬉しいけど。


普段頑張ってお洒落してる時と同じ感想ってのも、どうなの? なんて思ってみたりする、あたしは捻くれてるのかな(笑)