その後少しずつわかったこと。 妹の由紀さんが、母の勤める総合病院に入院してるということ。 怪我は複雑骨折で、運動機能の回復も危ぶまれているということ。 山之辺正哉が毎日病院に見舞いに訪れるということ。 そして…… 由紀さんは、まだ彼女の母の死を知らされていないのだということ。 当然母には看護師としての守秘義務があるのだけれど、学校や家で見聞きした状況をわたしなりに判断して、理解を深めていったのだ。