その日の放課後、昇降口であいつを待った。 こんなこと、わたしらしくない。 と思ったけれど、もう他に方法が見つからなくて。 しばらく待つと、あいつが姿を現した。 当然のごとく、何人も女子を引き連れて。 でも、そんなこともうどうでも良くて。 兎に角、わたしは真っ直ぐに、わたしの為すべきことをするまでだ。 「あの…… 山之辺くん。 さっきは、ごめんなさい!」 わたしは大きく頭を振り下げて、やつに向かって謝罪した。