「今日はありがとう。由紀も喜んでた。

ほんとは彼女と二人、ロマンチックなクリスマスを過ごすのが彼氏としての役目なんだろうけど、俺には出来ないから……」

「わたしも楽しかったよ」

わたしの声は、更にきつく抱きしめられて行き場を失った。


「もう一回キスしていい?」

「駄目って言ってもするんでしょ」

「アタリ」


再び重なったやつの唇は、最初ちょっぴり冷たかったけど。

二人の吐息で温められ、次第に深まる口付けに丸ごと飲み込まれ、わたしの身体ごと熱を帯びていった。


『……キスってさ、なんか魂の交換みたいな感じしない?

こう、ゾクゾクって……』


ほんと、なんだか気持ちまで持っていかれる感じがするね。


雰囲気にのまれる訳じゃないけれど、それでもやっぱりキスの効果はてきめんだ。

山之辺を好きな気持ちで一杯になる。


わたしってば、結構流されやすい?


そんな自分もアリだなと思った。