「なんだよ、俺はマジだぞ」 「一応聞くけどさ、山之辺、結婚って誰と?」 呆れた顔で聞く咲に、山之辺は平然と答えた。 「霧子とに決まってるだろ」 更に驚く咲。 「そ、そうなの霧子?! もうそういう話になってんの?!」 ――ないない! わたしは大きく首を横に振った。 ――そんな話、聞いたことない! 「おっと、俺としたことが先走っちまったな」 山之辺は少し照れながら、ゴメン霧子、と呟いた。