『霧子、頭の良さをひけらかしてはいけないよ……』


わたしを戒めた祖母の言葉が頭の片隅を過ぎったけれど、何故か周りに流されない自信がわたしにはあったのだ。


それは、こんなわたしでも受け入れてくれる人がいると知ったから。

わたしを愛し、慕ってくれる人がいると知ったから。

わたしがわたし自身であることに自信が持てた。

だから、わたしはその想いに、持てる能力の全てをもって報いたい。


なんて、カッコ良すぎるか。


能力を隠して送る平凡な人生よりも、全力を尽くして手に入れる無限の未来を求めたいって思った。

それには困難も伴うだろうけれど。

この世に生まれてきたからには、何事も経験しなくちゃ。