山野霧子、十七歳、本日めでたく女になりました。

って、もともと女だけど。


――はじめてを経験すると、何かがかわるのかなぁ


「霧子、折角だからもう一回やるか?」


快楽の余韻も冷めやらぬうちに、山之辺の期待は更なるステップに移行中。


――これって、性に溺れるってことじゃない?


「もう無理、むりぃ~、夕飯の支度ができなくなるよぉ」

遠まわしに断りを入れるも、やつには通じない。

「そっか、じゃ今晩は出前にするか。

たまにはいいんじゃね」

成る程その手があったか、なんて思考が頭を過ぎる時点で、わたしも溺れかけてる?

でもまあ、乗りかかった船よろしく、やつと一緒に快楽を追い求めるのも悪くない。


ただ山之辺が調子に乗らないか、それだけが心配だけど。

勢いついた山之辺をどうやって鎮めたら良いか、それがこれからのわたしの課題である。