「もしかして……親死んだとか?」 少しだけシリアスな顔で覗きこまれて、恥ずかしくなった。 「婆ちゃんだよ」 途端、プッと吹かれてムカついた。 「いまどき、婆ちゃんが死んで泣く奴いるんだ」 「っさい! 余計なお世話だよ!」 ――死んだ死んだって、煩いんだよ…… ったく、誰だこいつ? 婆ちゃんの思い出を汚されたようで頭にきた。