どんとぶつかるわたしをこともなげに受け止めて、あいつはわたしをしっかりと抱きしめた。



「霧子、おばさんは?」


わたしは、そのきつい抱擁に頷くことしかできなくて。


「びっくりするよなぁ~、病院に呼び出しって」


そうだ、こいつもそんな経験あったんだ、なんて今更想い出したりして。

「でも、良かったじゃん。とりあえず、腹が減っては戦はできぬ、だ。

何か食いにいこう!」

わたしはすっかり安心して、身を山之辺に預けていたのだけれど。

「美味いラーメン屋があるんだ」

ラーメン、と聞いたとたんにお腹がぐうと鳴った。