「お母さん、わたし帰るね。また明日来るから」 母の寝顔に語りかけ、病室を後にした。 看護ステーションに立ち寄り挨拶をして、エレベーターに飛び乗った。 こんな時に不謹慎だとは思うけれど、ドキドキした。 わたしの寂しさに寄り添おうとしてくれる存在に。 だからわたしは確かめなくてはならない。 この気持ちが一体何なのかを。