「大丈夫、由紀は元気だよ。無理して明るく振舞ってる。それが余計に辛いけど……」




わたしの手を握る手に、少しだけ力が篭った。


そこにいるのは、只の妹を思う優しい兄。

誰よりも妹の幸せを願う優しい彼の姿だった。



その心根に打たれたものあるけれど、彼女に会ってみようと思った。



わたしには、きっと、何もできないけれど。

恐らく周りの異様な雰囲気を感じて、無理して明るく振舞ってる、彼女の心に寄り添うことならできるかなって。



なんとなく、そんな彼女の心の内がわかるような気がしたんだ。