その点霧子は、クールな奴だと直感した。




彼女は、絶対にそんな理不尽な要求を他人に突きつけたりしないし。

第一、ノートを人に借りようなんて考える訳ないし。

見た目は大人しそうなお嬢様風だけど、中身はあたしと同類だと。



席が近かった、ってのもあるけど、なんとなく挨拶交わす仲から、話を交わす友人に。



やっぱり、弁当食べる時は男子と顔付き合わせるのも気まずいし、第一、食欲無くなるっもんでしょ。

だから、なんとなく、自然に、お昼を霧子と一緒に食べるようになった。

って言っても、美術室で、だけどね。


「咲、わたしと一緒にこんなとこにいると、クラスに馴染めないよ」


時々霧子が心配してあたしに言ったけど、あたしは全然気にしなかった。