真は佳伊の部屋へと足を踏み入れて呆然とする。
部屋は段ボールだらけだ。


「…引っ越しでもするの?」
と言うと佳伊が恥ずかしそうに言った。

「ごめんね、まだ片付けが済んでないんだよ。」
そう言いながらソファへと促す。

「もしかして…ここって出来たばっかりなのか?」
佳伊はおお。という顔をする。
「よくわかったね。俺が20歳になってやっと実現したんだ。管理人」
「…もしかしてまだ人数いないとか?」
ぽりぽりと頭をかく仕草をする。
「そうなんだよね。俺と羅我とまことかな」
「えっ!?3人!?」
流石に驚く。
「大丈夫大丈夫、スカウトは30人くらいしてるから」
「…」
真はここに自分をまかしていいのだろうか?と思ってしまった。


「真君は羅我とまことよりも強いから管理人の代表になってもらうよ」

「えっ!」

突然の事に驚く。

「代表って……俺、何にも分んないし、いいよ」

佳伊は真の顔を近づける。真はその綺麗な顔立ちに赤くなってしまう。

「だーめ。俺が決めたからそうなの」

「だって俺、15だよ?」

「羅我は12歳だよ」

真は絶句してしまう。
「12って…親とか知らないで死んだことになっちゃうんだろ?」

「羅我は俺の弟だよ。俺たちには戸籍の問題はないのさ」

「…なんで?」
きょとんと真が聞く。

「内緒」

いたずらをした子供のような顔で佳伊は言った。
真は何となく、それ以上聞けなかった。


「さて、君の部屋に案内するよ。きっと気に入る。」
「このビルの中なのか?」
「うん。」

佳伊は部屋から出て真を案内するのにエレベーターのボタンを押した。