「君には一番の就職先だと思うけど。心も楽になるよ」

佳伊の言葉がひっかっていた。

確かに今まで隠すのに必死で、平常心を保つようにしてた。
でも、この能力が人の為になるとは思ったことが無かった。

だが……母との別れが辛い。
しかももう死んだことになるから二度と会えない。
血は繋がってないがこの世で1番大切な人だ。それが辛い。

その時、ガターン!と何かが倒れる音がする。

「?」

何だろう?とドアを開けようとすると、母の叫び声が聞こえる。

「真ちゃん、来ちゃ駄目!逃げてぇ!!」

そう言われて逃げるわけがない。
廊下に出ると血まみれの母が倒れていた。
「かあさん!!」
慌てて駆け寄る。
母は何カ所も傷があった。しかも深く。
「早く…逃げて…」
朦朧としながらも真に逃げろと言い続ける。
「逃げろって…?」

「お前、管理人になるのか?」
暗闇から男の声がする。
何故、知っているのか?
「お前誰だ」
真は攻撃態勢だ。

暗闇からくく……と笑う声がする。

「天使だよ」
「…何?」
「超能力で依頼された人物を殺す組織だ。あいつも狙ってたとは思わなかったのでな、早くに迎えに来たのさ」
あいつ…?さっきの佳伊のことか?

目が慣れてくると周りが見えてくる。
子供達が血まみれで倒れてた。それをみて真はキレた。

「貴様…無関係の子供やかあさんを殺したのか!!」

真の身体から炎が出る。


「そうそう、その能力がほしいんだよ。」
くく…とまた笑う。

「ふざけんな!この野郎ー!!」
炎の塊が男に向って飛ぶ。