長は初老の男性って感じだった。
今となってはおろおろとして偉そうにしていた姿は見られない。

「わ…わしはお前ごときにはやられはせん」

「へーでも相手は俺じゃないよ。柳だ」

いきなり言われてびっくりする。


「俺!?」

佳伊は柳をみて静かに言った。

「仇だろ?やっていいから」

佳伊は柳を長の前に連れてくる。

「こ…小僧、何を…」

「黙れ!!」

柳は怒鳴った。その迫力に長は後ずさりする。

「母さんを…皆を殺したな!!」

柳は全身を炎で包む。


許せない……絶対に許さない!

母の姿を思い出す。

炎は天井まで届く勢いだった。

「ひぃ!!」

長が逃げようとするが柳は炎を長に放った。

「ぎゃああ!!」

長は炎に包まれ、そして跡形もなく焼けていった。骨すらも残っていなかった。