「えっ…?私の話、面白くないですよ?」
なんで同い年なのに敬語を使うんだろう?
そこもまた、面白いように感じたりして…。
『面白いって。ね?聞かせてくれるでしょ?』
俺は専ら橋野にハマっていた。

―…ある日の休み時間。
「蓮斗っ…話があるっ」
1人の女子が、俺にしか聞こえないような声で言ってきた。
『…え、何、』
橋野の話を楽しみにしてた俺は、ちょっと面倒に思う。
「ちょっと来てっ」
今度は、橋野に聞こえるような声でそう言ってから、女子が俺の腕を引っ張る。
『あー…』
橋野と、面白い話(橋野は面白いとは思ってないけど)を約束していた事もあり、俺は、その女子と橋野を交互に見た。