「わぁーったから。早く出ていけない?」
蓮斗がレイナさんに言う。
「はいはい。邪魔ものは消えるわ♪」
そう言って、しぶしぶレイナさんは部屋を出ていった。

ドアが閉められたので、再びカーテンをはさんでの光に戻る。
薄暗い部屋。
「俺さぁ…」
蓮斗が口角を上げたのがわかる。…あたし、この瞬間好き。
「実は…」
蓮斗との距離は全然ない。
軽くだけど、蓮斗の呼吸が聞こえてくる。
それよりもあたしは、自分の心臓の音が聞こえてないかが心配で。「前から唯の事知ってたんだよね」
トク…トク…。
ゆっくり聞こえる蓮斗の心臓の音。
『何…で?』
ドキッ…ドキッ…。
早いあたしの心臓の音。