内緒の保健室

いつものように授業をうけて、いつものように終わった。
その間、蓮斗に変わった事は何もなかったし、絢の話もしなかった。
そういえば、質問攻めにあわなかったけど、蓮斗が上手く言ってくれたってさっき結城から聞いた。

それから…あたしは、体育とか部活とかやらないから、疲れるのは頭脳だけなんだ。
蓮斗達はあたしの護衛の時はあたしと一緒のスケジュールで、普通の時はやる。
サボってるらしいけど…。
みんな部活もやってないらしい。蓮斗は、部活やってなくても、色んな部活に呼ばれるらしいんだ。
だからほら、今だって…。
「蓮斗ー!バスケの人数足りないんだけどー…来てくんない？」
知らない男の子達がバスケットボールを片手に、蓮斗をひっぱる。「面倒くせーし、今日はコイツ送ってかなきゃなんねーから無理」蓮斗があたしを指差す。
「え？てか誰？また違う学校の女？」
男の子達があたしをまじまじ見つめる。
「説明面倒だから短くまとめると転校生」
蓮斗が立ち上がる。
「転校生!？…女が!？」
みんながもっとあたしを見つめる。
「ま、そういう事。享也の事あるから紹介はないんだと思うけど。絶対言うなよ？」
蓮斗がみんなを順々に見た。