「麗央の事…ありがとな」
『えっ?』
「ケンカ止めにきてくれて」
蓮斗がゆっくりあたしの頭を撫でた。
ドキッ…。
あーっ!心臓っ!うるさいってば!ちょっと静かにしててっ!
「麗央も…悪い奴じゃねぇよ。今日のキスは…もう心配すんな」
『…っ!?』
まさか…、今日の事言ってくれてあんなケンカに…。
『…ごめんね、ありがとう』
「んー…?何が?」
『麗央の事…』
「ふっ…」
『何で笑うのっ』
「いや?素直で可愛いなって」
『…っ///』
あたし…絶対に顔真っ赤だ…。
蓮斗がいけないんだよ。

『あ!蓮斗、ケガしてる』
「は?」
『ほら!腕!すりむいてるよ』
「あー…。さっき麗央にすげぇ力で廊下に引っ張られたからかも。気付かなかったけど」
『痛い?痛いよね!待って…あたし、ばんそうこう持ってるから』そう言って、あたしは、スカートのポケットをあさる。
「…いや、痛くねぇから大丈夫」『だめだよ。菌が入ったら大変な事に……』
「心配性な奴」
『うるさい…』
―ペタッ…。
やっと取り出せたばんそうこうを蓮斗の腕に貼った。
『はい、終わり』
「…サンキュ」
蓮斗が笑う。
ドキッーッ…。
あたし…本当笑顔に弱い??