―「そういえば…男子校入ったって聞いたけどさ、どうなの?」
部屋に入ると蘭ちゃんが急に言い出した。
今日の事がよみがえる。
…キスされたなんて、言えるわけない。
『ん…あぁ…普通だよ?』
笑いながら答えた。
「えー?本当かぁ?嘘っぽーい」…へ?
「絶対嘘だよ!何かあったでしょ?言ってみなよ、全部聞いてあげるよ、この綺麗なお姉さんがね」…蘭…さん?
まぁ蘭ちゃんは綺麗なんだけど。『いや、何もないって』
あたしは右手を自分の顔の前でふって、何もない事を表した。
「…ガキ」
『へ?』
「ガキ。ヘタレ。アホ。バカ。何かあるなら言いなさい。お姉さんわかっちゃうんだよ?ま、あんたみたいな人の場合は、キスされたとかそういうの?」
『……』
「図星だわ」
『…//』
「はい、とりあえず事情聴取」
蘭ちゃんはそう言うと、あたしを座らせた。