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星銅男子学園高等学校の保健室…のドアの目の前。
『はぁ…。あたし本当にここで保健室の先生やるの?』
2度目、息をはく。…いや、正確に言えば、ため息…なんだけど。
事の発端は、つい1ヶ月前にさかのぼる。
「おはよー唯☆」
久しぶりにパパがいつもより早起きしている……と、言うことは。『今日は何の話…?』
いつもそうだ。
パパが早起きするときは必ず大事な話があるとき。
「ま、とりあえず座りなさい」
『うん…』
あたしが、言われた通り座ると、少しの沈黙…。
そしてパパが口を開いた。
「いや…ね、実は、パパが理事長をやっている学校でね、保健室の先生が、実家に帰って両親と一緒に暮らすって言って、保健室の先生をやめちゃったんだ」
…で?
「そこでた。是非唯に、保健室の先生をやってもらいたい」
…え?
一瞬なんの事かよくわからくなったけど、しばらく考えると、意味がわかった。
そしてあたしは勢いよく立ち上がった。
『むっ…無理無理無理無理無理!!だってあたしは高校生だよ?勉強は?学校は?しかも保健室の先生なんてやっちゃだめでしょ?』
「いや、そこら辺はパパの権力でなんとかなるんだ。高校は、そこの高校で、保健室で授業をしてもらう」