『夏休み最後の日、遊園地へ行こう?』
いきなりのあたしの提案に、蓮斗は一瞬驚いた。
…けどすぐニッコリ笑ってうなずいた。

「……いいよ」
『それまでは、2人で軽く出かけたり、あ!麗央とか結城とか雷樹とかにも会っておかなきゃ…みんなと…っ』
夏休みが終わったら、もうみんなとしゃべれないんだ。
あたしの護衛にはついてくれないんだよね。

泣いちゃだめだ…って思う程、目からは涙が溢れる。

変だよね…
最初はみんなの事、そんなに好きじゃなかったのに。

「……悪い」
『え……っ』
「つまんねぇ争いに巻き込んじまって」
『………』
「………ほら、帰ろーぜ」
『………ん』
「…送ってやる」
『ふふ。ありがと』
蓮斗…。
あたしはさ、そんなんで負ける程根性弱くないんだよね。

だからね、これから何度でも言ってあげるから。
『あたし達は、2人で1つだよ』