「橋野……唯…」
後ろで自分の名前を呼んでいる人がいる。
そう思って、反射的に後ろを振り向く。
『……あ!』

太陽に透ける金髪…。
全体的に、シークレットを装う彼は、まぎれもなく、あの時会った篠沢享也だ。

「また…会った」
『………ですね』
「運命…だったりしてね」
『………は?』
彼の言う言葉に反応して彼を見ると、彼はフッと軽く笑ってあたしの方へ向かってきた。
『な…、何か…?』
恐る恐るたずねる。
「今日…放課後、数学準備室来て。こなかったら…お仕置き」
そう言って彼はまた軽く笑うと、どこかへ消えた、